MT-07(2018- RM19J)にドラレコ MiVue M760D を装着してみた

先日のツーリングで峠道で子鹿にからかわれるトラブルがあったのですが、残念ながらその瞬間を撮影できず後悔するという出来事がありました。
ドラレコがあればいつでも決定的瞬間を撮影できる…! と思い、帰宅後すぐにポチってしまいました。
バイク屋さんで取り付けると、ネイキッド・2カメラの場合だいたい工賃が15000円前後(持ち込みの場合はさらに工賃Up)費用がかかるようなので、今回は自分で装着してみました。
所要時間は事前準備・取り付け位置検討含め4時間程度でしたが、慣れている人ならもっと早くできると思います。

MiVue M760D

https://www.daytona.co.jp/special/driverecorder_mio/product/m760d/

選定理由

今回チョイスしたのはデイトナが販売している MiVue M760Dです。
選定にあたって重視したポイントは下記の通り。

  • MT-07の狭い収納に対応できること
  • ハンドル周りをゴチャゴチャさせたくないので液晶モニタが不要であること
  • フロント・リアを同時に撮影でき、専用アプリでGPSログと合わせて同時再生できること
  • 1ファイルあたりの撮影時間が設定できること(M760Dでは1/3/5分を設定可能)
  • 画質がそこそこきれいで、256GBのMicroSDXCカードをマウントできること

画質

フロント・リアともにF1.6の明るいレンズに、SONYのStarvisというCMOSセンサーを搭載しています。
センサーサイズは公開されていませんが、1/2.5型〜1/3.2型くらいでしょうか?(未確認)
要は暗いところや明暗差の大きいところでもしっかり映像に残せるという事ですね。
画質は初代GoProと同じかそれ以下くらいといった感じでしょうか。

動画の中身については、フロント・リア共に固定(設定変更不可)の Full HD 30fps 17Mbps@h264のmp4コンテナです。
オーディオはハンドル部にマウントするコントローラのマイクから録音されますが、風防も全く無いため、風切り音が爆音で録音されるだけです…
もちろん停車中はエンジン音や環境音をしっかりと録音できますが、走行時の爆音がものすごいです。
128kのmp3でいいのに256kのADPCM。プレーヤーによってはCodec無くて再生できなさそうですね。

ffmpeg -i の表示は下記の通りです。

 Guessed Channel Layout for Input Stream #0.1 : stereo
 Input #0, mov,mp4,m4a,3gp,3g2,mj2, from 'F/FILE210618-154048F.MP4':
   Metadata:
     major_brand     : qt  
     minor_version   : 512
     compatible_brands: qt  
   Duration: 00:05:00.88, start: 0.000000, bitrate: 17302 kb/s
   Stream #0:0(eng): Video: h264 (Constrained Baseline) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 1920x1080, 17041 kb/s, 29.07 fps, 29.07 tbr, 29100 tbn, 58200 tbc (default)
     Metadata:
       vendor_id       : [0][0][0][0]
   Stream #0:1(eng): Audio: adpcm_ima_wav (ms[0][17] / 0x1100736D), 32000 Hz, stereo, s16p, 256 kb/s (default)
     Metadata:
       handler_name    : Sound Media Handler
       vendor_id       : [0][0][0][0]

画角

取り付け位置はフロントはヘッドライト下、リアはキャリア下ですが、このような画角になります。
右下には時刻、速度、GPS座標が入ります。

フロントカメラ
リアカメラ

取り付け

必要な工具・端子など

下記の工具や端子などが必要になります。
バッテリー取り外しやギボシ端子作った事がある方なら問題無く一人で作業できるかと思います。

  • テスター(ヒューズ電源確認用)
  • ラジオペンチ(ヒューズ抜去用)
  • 電工ペンチ(端子取付用)
  • バッ直用6φクワガタ端子✕1
  • バッ直用6φ丸形端子✕1
  • 10Aヒューズ電源取り出しコード
  • コントローラ用ミラーマウントステー
電工ペンチと端子類
ミニ平型ヒューズ電源取り出しコード

事前準備

バイクのもとへ行く前に、事前に電源端子系の準備をしておかなければいけません。
M760Dは長〜い電源コードが付いているのですが、(バッ直+、ACC連動+、ーの3種類)端子類が付いていないので、各端子を電工ペンチでカシメてあげる必要があります。

赤色→ACCのプラス(ヒューズ電源コードのギボシ端子のメスに接続できるよう、オスのギボシとスリーブを付けます)
黄色→バッテリーのプラス(丸形端子を付けます)
黒色→バッテリーのマイナス(クワガタ端子を付けます)
※丸形・クワガタはどちらでも構いません。単に抜きやすくしたいかどうかという事のですが、一般にプラスは丸形が選ばれる事が多いようです。

前述の通り、電源コードがすごく長いので、なるべく最小限の長さにカットしてから端子を付けたほうが後々収納で楽をできます。

取付位置の検討

リアシート下の本体

MT-07の場合、収納空間がほとんど無いため、本体の設置位置はリアシート下一択になります。
車載工具の上にすでにETC本体を設置していますが、さらにこの上にM760D本体を載せます。

ヘッドライト下のフロントカメラ

ここは好みが分かれるところですが、フロントはヘッドライト下にしました。
当然視点が低くなるので、ライダーの視点とは結構違ってきますが、広角なのでドラレコとしての情報量としてはほぼ問題無いかと思います。
景色も残したい人は視点の高いハンドルやヘッドライト上に設置した方がいいかもしれません。

リアキャリア下のリアカメラ

こちらは純正リアキャリアの下部に設置。
ナンバー灯の上でもよかったのですが、ちょっと目立つのと汚れやすそうだったのでこちらを選びました。
ちなみにカメラは360度回転させる事ができるため、上からマウントしても下からマウントしてもOKです。設置後でも調整可能です。

ミラーマウント用ステーに取り付けたコントローラ

コントローラは左ミラーにステーを付けて両面テープで固定します。
マイク、GPS、衝撃センサー、イベント録画ボタンが付いています。

シート取り外し

シート取り外し後

リアシートを外すと、フロントシートを固定しているボルトが2箇所あるので、車載六角レンチで外すと、フロントシートも簡単に外す事ができます。

バッテリーカバー取り外し

カバーというか固定器具ですが、こちらを外さないとバッテリーのプラス端子にアクセスできないのと、配線もやりにくいので外していきます。
車載六角レンチでボルトを6箇所外すと外せます。

電源接続

ヒューズ電源取り出し

ヒューズ電源取り出しコードはバッテリー横のヒューズボックスの10Aから分岐させます。
ヒューズの頭にテスターを当てて、イグニッションON/OFFで通電状況を確認します。

イグニッションONの時のみ通電している事が確認できたら、ラジオペンチでヒューズを抜いて、どちら側に電源(+)が来ているかをテスターで調べます。(ヒューズを抜いて、イグニッションONの状態でテスターを当てて光った方が電源側です)

どちらが電源側か確認できたら、電源取り出しコードが電源側に来るように電源取り出し用ヒューズを取り付けます。

あとは事前準備で取り付けたギボシオスと、電源取り出しコードのギボシメスを接続してスリーブを被せてあげればOKです。

バッテリー端子接続

バッテリー接続

バッテリーはお約束通り、外す時はマイナス側から、取り付け時はプラス側からです。
車載プラスドライバーでマイナス→プラスの順でネジを外してから、事前準備で作った端子をプラス・マイナスそれぞれに挟み込んで、プラス側からネジを締めていきます。
黄色いコードが(+)、黒いコードが(ー)です。

カバー取り外し

タンクカバーまで外しましたが、おそらくそこまで外す必要は無く、左サイドのカバーだけ外せば配線できたかもしれません。
タンク下を通して、ハンドルにコントローラーを、ヘッドライト下にフロントカメラをそれぞれ通してあげます。
ここは結構スペースあると思うので、特に配線通し等の器具がなくても大丈夫だと思います。

配線

全体配線図

赤色→フロントカメラ
緑色→リアカメラ
青色→コントローラ
黄色→電源

上記のように配線します。
写真ではヘッドライトも開けてますが、開けなくてもOKです。

整線後

最終的にはこんな感じで整線しました。
フレームの上は配線通せないので、下を通すようにして、余ったコードやヒューズ等はまとめてサイドカバーに収納します。
このサイドカバーはデフォルトだと空洞になっているので、収納力の低いMT-07にとっては非常に助かります。

車載工具とETCの上に本体を置いても、問題なくリアシートを閉められます。
SDカードの取り出し等で頻繁にアクセスする方は、コントローラのコードが抜けやすいので注意しましょう。

アプリ

Windows/Mac用にデータ閲覧用の専用アプリが、Android/iPhone用にライブビュー・ファイル転送用のモバイルアプリがあります。

PC用アプリ

Mac用アプリ MiVue Manager
※ヌルヌルに見えるのは2倍速のためです

SDカードのパスを指定すると、その配下にある映像データ、位置情報・センターデータ等を読み込んでくれて、ファイル単位で動画再生する事ができます。
SDカードでなくても、フォルダ構成そのまま別の領域(PC本体のディスクやNASなど)にコピーして参照すれば読み込めます。

表示項目はフロント・リアの映像とマップ、Gセンサーです。
最低限の機能は揃っている感じですね。とはいえ必要十分と思います。
ちなみにYoutubeボタンはただのリンクです。

モバイルアプリ

モバイルアプリはPC用アプリとは全く違う用途で、本体にWiFi接続して設定やファイルの転送や、ライブビューの表示を行うためのものです。
性能があまりよくないのか、こちらはあまり期待しない方がいいかと思います…

ファイル転送

転送速度が遅くて使い物になりません。
5分ごとに動画ファイルを保存する設定にしていると、1ファイル500MBほどになるのですが、転送に10分以上かかります。
ファイルを抜き出すならSDカードを抜いて転送するといいと思います。

ライブビュー

設置位置の確認用程度に思った方がいいでしょう。
少し遅延がありリアルタイム性が低い事と、左右反転も無いため、バックミラーのような使い方はできないです。

まとめ

画質、操作性ともにドラレコとしてM760Dはとても満足できる製品でした。
装着早々決定的瞬間が撮影できて(湾岸ナイトツーリング を参照)たいへん満足しております(笑)。
取り付けもほどよい難易度で、電装系の作業が初めての方でも、一通り工具があれば問題無くできると思います。
ショップに頼むのもいいですが、自分で作業するのも楽しいですよね。